ディップアート作品の制作時に、液がドロドロになったり、気泡が消えなくて困ったことはありませんか? 結論から言うと、ディップ液の状態は「専用のうすめ液」での微調整で劇的に改善します。
この記事では、自由が丘の教室で教えている「液を常にベストコンディションに保つテクニック」を公開します。最後まで読めば、あなたの作品はもっと透明感に溢れ、制作ストレスからも解放されるはずです。
なぜディップ液はドロドロに固くなるの?
溶剤の「揮発」が原因
ディップ液が固くなる主な原因は、成分に含まれる有機溶剤が揮発するためです。ディップ液が空気に触れ、溶剤が気化すると粘度が高くなり、きれいにディップができなくなります。なので、ディップはなるべく手早く行い、こまめに蓋を閉めたり、蓋が空いている時間を減らすことで揮発を防ぐことができます。
要注意!直射日光とエアコンの風も原因かも
ディップ液が入った容器や缶に直射日光が当たると、ディップ液が温まり、溶剤が揮発して少しずつ容器から抜けていきます。容器の温度が上がると液が固くなるだけでなく、ガラス瓶のような密封性が高い容器の場合、圧力に耐えられずに爆発して破損する危険性もあります。かならず暗所で保管しましょう。
また、ディップの時に、エアコンや扇風機などの風が直接当たるのも良くありません。膜が急激に乾くことでディップ自体も綺麗にできなくなります。
失敗しない「うすめ液」の配合とタイミング
目安は「はちみつ」から「メープルシロップ」へ

揮発して固くなったディップ液は、まるで濃いめの蜂蜜のようです。もっと固い場合には水あめのような感じになっていることも。そんな時は、うすめ液を入れてメープルシロップのようなとろみにします(※サラサラ過ぎもNG!)。
一番目安になるのは、新品のディップ液の粘度です。新品を開けた時に液面の粘度感を覚えておきましょう。
一気に入れない!少しずつ混ぜるのがプロの鉄則
固いディップ液にうすめ液を一度に大量に入れると均一に混ざりづらく、混ぜている時にサラサラのうすめ液が容器の外にこぼれる可能性があります。余分に入れすぎるとディップの膜が弱く、張りづらくなります。入れすぎた場合は軽く蓋を乗せて、少し揮発させましょう。
<ポイント!>
うすめ液の口から直接注ぐと、出すぎてしまうことがあります。うすめ液の口に、割り箸やヘラを当てて、伝わせるように入れましょう。万一、こぼれても大丈夫なように新聞紙を敷いたり、ティッシュを用意しておくことをおすすめします。
混ぜた後は少し寝かせる?その理由とは
うすめ液を加えて混ぜた直後は、ディップ液の中に気泡がたくさん入った状態です。このまますぐにディップすると、一緒に気泡をすくってしまい、膜の中にポコッと気泡が入る可能性が高くなります。混ぜた後は蓋をして、10分~20分位待って、気泡が消えてからディップしましょう。
透明感を左右する「気泡」を入れない3つのコツ+α
1,ゆっくり混ぜる: 渦巻きや「の」の字を描くように、ゆっくり優しく、かき混ぜましょう。
2,ディップしながら気泡を消す: ディップしていると、液(容器)の中に気泡が少しずつ増えてきます。大きい泡は目打ちや竹串で突いたり、容器を持ってグルグルと液面を揺らすと気泡が早めに消えます。
3,膜の張り方を工夫する: ワイヤーを引き上げる角度でも気泡を防げます。特に、複雑な形をした枠や、ブリッジ(葉脈のワイヤー)が入った枠は、気泡が入りやすくなります。
この気泡はワイヤー同士の隙間から後から出てくることがあります。液から枠を引き上げた時に気泡が入っていることに気づいたら、すぐに液に入れ直してディップすると気泡が抜けてくれます。
<プロのテクニック>
ディップに慣れてくると、ディップしてすぐの時に、膜の中の気泡を直接、目打ちなどで破ることで抜くことができるようになります。もちろん、目打ちを刺しすぎると膜全体が破れてしまうので少し難しい技です。膜の片面の気泡の表面だけを上手に破くことがコツです。
これは買い替え時?ディップ液の寿命?
ディップ液はうすめ液で適度に調整すれば、最後まで使えます。ただしディップ液は粘度が高いため、ディップ缶の中の液を1滴残らず使い切ったり、かき出し切ることは難しいです。
稀に、ディップ液の缶の中や縁にサビが出ることがあります。ディップに支障が出るケースは少ないですが、調合容器に入れ替えると安心です。
ディップ液で一番困る状態は、完全に揮発して、容器の中でカチカチに固まることです。

こうなるとディップはできず、そのままうすめ液を入れても元の状態に戻りません。そんな時に、諦めて捨てなくても、まだ復活できる可能性があります。
まずは、ペンチなどでカチカチのディップ液を取り出して、ハサミでできる限り細かく切ります。それを調合容器に戻し、うすめ液を少しずつ時間をおいて加えながら(まずは30分)、時折、混ぜたり、さらにうすめ液を加えていくとサラサラな状態まで戻すことができます。液がカチカチになる前に日々の管理も意識できるとあなたもプロです。
もし、記事を読んでもうまくいかない、直接コツを教わりたい、という方は、ぜひ教室を覗いてみてください。体験レッスンでお待ちしています。
よくあるご質問
Q, 市販の除光液で薄めてもいいですか?
A, NGです。成分が異なるため、乾燥後に膜が白濁したり強度が落ちる可能性があります。必ず専用のうすめ液を使用しましょう。













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