ディップフラワーの作り方|初心者向けに4つの手順で解説

ガラスのように透き通った「ディップフラワー」は、ワイヤーとディップ液で作ります。難しそうに見えますが、基本の手順は「枠を作る→ディップする→強化する→組み立てる」の4つだけです。この記事では、ディップフラワー(ディップアート・アメリカンフラワー)の作り方を、準備から仕上げ、よくある失敗の直し方まで、教室講師が写真つきで解説します。

用意するもの

資材・道具使いみち
ディップ液膜を張る合成樹脂液。作りたいお花の色を用意する
うすめ液濃くなったディップ液を調整する
ストレンスナー(強化液)乾いた膜を丈夫にする
地巻きワイヤー花びらや葉の枠を作る。紙が巻かれた白いワイヤーが基本
ゲージパイプワイヤーを巻いて丸い枠を作る筒状の型(1〜6cmの9本セット)
フラワーテープパーツを組み立てる
ペップ花芯(しべ)に使う資材。お花によって使う
ペンチ・ニッパー、ハサミワイヤーの成形と切断
スポンジディップした枠を挿して乾かす
竹串・ヘラ垂れた液を取る、液を混ぜる

それぞれの詳しい役割は「ディップフラワーの材料と道具」、ディップ液の色や種類は「ディップ液とは?」、100円ショップでそろうものは「ディップアートの道具は100均でそろう?」で紹介しています。

作業を始める前の準備

  • 換気できる場所で:ディップ液は溶剤を含むので、窓を開けたり換気扇を回したりできる場所で作業します
  • 火の気のない場所で:ディップ液もうすめ液も引火性があります
  • 汚れてもよい服装で:服に付いたディップ液は乾くと取れません。エプロンがあると安心です
  • 作業台を保護する:新聞紙や作業マットを敷いておきます
  • 風が当たらない場所で:エアコンや扇風機の風が膜に当たると、急に乾いてきれいに仕上がりません

手順1. ワイヤーで花びらや葉の枠を作る

ワイヤーをゲージパイプに沿わせて巻き、根元でねじると丸い輪ができます。パイプから抜いて、花びらや葉の形に整えます。ゲージパイプのサイズを変えると、大きさの違うパーツが作れます。ワイヤーを何cmに切ればよいかは「ゲージパイプで丸枠を作るときのワイヤーの長さ|サイズ別早見表」で確認できます。セットにない大きさは、パイプを組み合わせて作ることもできます(「ゲージパイプセットにないサイズの作り方」)。

ゲージパイプに巻いてから外したワイヤー枠
ワイヤー枠を葉の形に整えたもの

きれいに見せるコツ

  • 葉には、葉脈のような「ブリッジ」をワイヤーで入れると本物らしく見え、膜も張りやすくなります
  • 花びらにフリルやウェーブを付けておくと、完成したときに自然な表情になります
  • 細いワイヤーや細長い枠は、乾くときに内側に縮みやすいので、根元を少し広げて作っておくのも一つの方法です
  • 形が少し揺らいでも大丈夫です。自然の花に同じものがないように、それが作品の個性になります

手順2. ディップ液にくぐらせて膜を張る

ワイヤーの枠をディップ液にくぐらせて、ゆっくり引き上げると、枠の中に表面張力で薄い膜が張ります。引き上げた枠はスポンジに挿して乾かします。室温や湿度によって変わりますが、30分から1時間ほどでおおよそ乾きます。

ワイヤー枠をディップ液にくぐらせて膜を張る様子

きれいに仕上げるコツ

  • 泡のない部分をすくうように、ゆっくりディップします。1回ディップするたびに泡は増えるので、泡が消えるのを待ってから次をディップしましょう
  • たくさんの花びらを一度にディップしないのも、泡を減らすコツです
  • 液が濃くなっていると膜がきれいに張りません。うすめ液で、メープルシロップくらいのとろみに調整します
  • 枠から垂れてきた余分な液は、竹串などで取り除きます
  • 枠が缶に入らない大きなパーツは、ヘラに液をのせて膜を張る「ヘラ付け」という方法もあります

ディップのいろいろな技法

慣れてきたら、2色を使ってマーブル模様にする「マーブル染め」、後から別の色を垂らす「ドリップ染め」、つぼみのような立体にディップする「かぶせ付け」などの技法も楽しめます。技法の例は「ディップフラワー(アメリカンフラワー)とは?魅力と作り方」で紹介しています。

手順3. 強化液で膜を丈夫にする

膜がしっかり乾いたら、余分なワイヤーを切り、ストレンスナー(強化液)で膜を丈夫にします。ストレンスナーには水性と油性があり、慣れないうちは匂いが少なく乾きの早い水性がおすすめです。ストレンスナーはディップ液に混ぜて使うものではないので、必ず膜が乾いてから使いましょう。

組み合わせによっては相性の悪いものもあります。たとえばダブルコートの上に水性ストレンスナーを重ねると、溶け合ってムラになります。詳しくは「ディップのコーティング剤と比較」をご覧ください。

手順4. パーツを組み立てて完成

できあがった花びらや葉を、フラワーテープで巻き留めながら組み立てていきます。フラワーテープは軽く引き伸ばすと粘着性が出て、ワイヤーにしっかり巻き付きます。花芯には「ペップ」という資材を使うこともあります。レシピの順番どおりにパーツを組み合わせれば、初めての方でもきれいなお花に仕上がります。

細い茎を作るときは、フラワーテープを半分の幅にして使います(「フラワーテープの半幅サイズの作り方」)。ペップは手作りすることもできます(「花資材「フラワーペップ」を自作する方法」)。

よくある失敗と直し方

困ったこと主な原因対策
膜が張らない・破れる液が濃すぎる、枠が大きすぎるうすめ液で濃さを調整する。大きな枠はヘラ付けにする
膜に泡が入る泡のある部分をすくった、液が濃い泡のない部分をゆっくりすくう。泡が消えてからディップする
乾いたら泡が出てきた液が濃い、枠が複雑うすめ液で調整する。一度にたくさんディップしない
花びらが縮んだ乾くときにワイヤーが内側に引っ張られた根元を少し広げて枠を作る
膜がヨレヨレになった乾いた後に反りを付けたときなどに、膜がたるんだエンボスヒーターの弱い熱風を当てて直す
缶の中で液が固まったフタの開けっぱなし、揮発細かく刻んでうすめ液で戻す

それぞれの詳しい直し方は、「初心者・中級者向けQ&A」「ヨレヨレになったディップ膜を直す方法」「乾いてしまったディップ液を復活させる方法」で紹介しています。

作業のあとの片付け

  • ディップ液とうすめ液のフタは、しっかり閉めます。開けっぱなしにすると揮発して固くなります
  • 筆などに付いたディップ液は、うすめ液で洗えます
  • 余ったディップ液は新聞紙などに広げて乾かし、自治体のルールに従って捨てます

完成した作品を長く楽しむ飾り方とお手入れは「ディップアート作品を長く楽しむ飾り方とお手入れ方法」をご覧ください。

はじめは教室で体験するのがおすすめ

ワイヤーの曲げ方やディップ液のくぐらせ方は、実際に手を動かすとコツがつかみやすくなります。ほしのディップアート自由が丘の体験レッスンでは、道具をすべてご用意して、講師がそばでサポートします。所要時間は90〜120分ほどで、完成したお花はその日にお持ち帰りいただけます。本格的に学びたい方は、ミニローズなど12種類のお花を作るディップフラワーコースの普通コースから始められます。

▶ 体験レッスンの詳細・ご予約はこちら

講師プロフィール

ほしのディップアート代表講師|赤澤成行

2009年から天然石ワイヤーアクセサリー教室「Hoshino stone」をスタート。講座実績は3000回以上(2025年11月現在)。同じくワイヤーを扱うハンドメイド教室としてディップアート・アメリカンフラワー教室「ほしのディップアート」を始める。ディップアート教室では数少ない男性講師です。「もの作り」と「教える」ことが大好きで、少人数制で丁寧・分かりやすいレッスンを心掛けています。

2024年1月  トウペディップアート協会 入会
2024年10月 ディップフラワー・ディップジュエリー 認定講師
2025年10月 トウペディップアート協会 認定師範

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